「生む機械」発言は適格性のなさを証明している

 柳沢厚労相の「生む機械」発言が物議を醸しています。
 私は彼を罷免すべきだと思いますが、それは失言をしたからというよりは、失言によって彼の厚生労働大臣としての適格性のなさが明らかになったからです。
 子供を産むか否かは女性の自己決定権の問題であり、他人が押しつけがましくがんばれなどというべきではありません。少子化対策といっても、あくまでこういった女性の尊厳を前提としたものでなければならないのは当然のことです。ならば、政府が取るべき少子化対策とは、子供を産みたいと考えている女性が安心して子供を産むことができる環境を整えること、に尽きます。
 ところが現実には、賃金の低下、保育園不足、教育費の増大など、女性(および彼女と生計をともにする男性)が子供を安心して育てていける環境はどんどん破壊されているのが実情です。柳沢厚労相が推進していたWCEも、それによる残業代のカットや長時間労働の危険を払拭できず、ますます子供を産み育てていく環境を破壊していくものです。
 柳沢厚労相少子化を助長するような政策を進める一方で、女性に対して単にがんばれと主張しているわけで、少子化に取り組むべき厚生労働大臣の認識としてはお粗末すぎるのです。
 この程度の認識しか持たない大臣を、「改心」させまともな認識を持つように教育するぐらいなら、もっとまともな認識を持った人間を代わりに大臣にした方が手っ取り早いのです。